配管の寿命は排水の水質や使用状況、管種・築年数などによって大きく変わります。実際に現地調査をしてみないと工事が必要かどうか、更生工事、更新工事のどちらが必要かは分からないものです。以下は配管工事の目安になりますので、ご参考にしてください。
配管の工事タイミング
よく見られる劣化・状態 | 工事内容 | |
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~築10年 | 特に劣化症状は見られない | 毎年1回の配管洗浄 |
築20年 | 使用方法によっては、油類や汚れが付着し汚れが取りづらくなる | 共有部・専有部の更生工事 |
築25年 | 台所配管の漏水やつまりが起こり始める。配管内部に錆が起こり赤水が発生する場合がある | 共有部・専有部の更生工事(場合によっては更新工事) |
築30年 | 台所や浴室・洗面所の配管で漏水やつまりが起こり始める。配管内部に錆が起こり赤水が発生する場合がある | 共有部・専有部の更新工事(場合によっては更生工事) |
築35年 | 台所や浴室・洗面所・トイレの配管で漏水やつまりが起こる。排水不良が顕著になる |
管種別の修繕のタイミング目安
水配管用亜鉛めっき鋼管 | 15~20年程度 |
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配管用炭素鋼鋼管 | 20~25年程度 |
硬質塩ビライニング鋼管 | 20~25年程度 |
硬質塩ビ管 | 30年程度 |
排水用鋳鉄管 | 30~40年程度 |
マンションやビルの配管工事は竣工後10~15年に行うのが一般的です。竣工後、一度も修繕をしていないという場合は、一度業者に依頼されることをおすすめします。
排水管の長寿命化のために
建物配管のなかでもっとも劣化が早いのが「台所・キッチン」周りの排水管。台所・キッチンは、排水管を傷めやすい油や食べ物のくず、熱湯などを流すことが多いからです。
排水管の劣化を遅らせるためには、排水管が傷む原因となる油や食べ物のくず、熱湯などを流さないように気を付けることが重要です。マンションやテナントビルでは住民やテナントオーナーに理解と協力を仰ぎ、排水管の長寿命化を目指しましょう。
食べ物のくず | 食べ物のくずが排水管内に貯留すると雑菌が繁殖し、それが漏水やつまりを引き起こす原因となります。食べ物のくずは排水管に流さないよう気をつけましょう。 |
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油 | 油類は排水管内に付着して内径を狭め、つまりの原因となります。また、油もバクテリア繁殖の温床となり、それが漏水やつまりを引き起こします。 |
熱湯 | 熱湯は排水管の傷みや変形を引き起こす原因となります。水と一緒に流すなどしましょう。 |
薬品 | 洗剤を流すと排水管の痛みや変形を引き起こす原因となります。中性洗剤以外を流すのは控えるか、水などと一緒に流しましょう。 |